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岸田智史といえば、私は観ていませんでしたが「新八先生」、そしてこれはたまに観ていましたが「渡る世間は鬼ばかり」というイメージで、近年は俳優として知られているようです。
さらに最近たまにサスペンスの再放送でやっている番組で、たしか三浦友和が刑事役で主演の「森村誠一シリーズ」の「音」で三浦友和の友人の医者役で出演していたのも、この岸田智史だったみたいです。レギュラーでもありませんし、短時間しか出演していませんでしたが、印象に残っています。

でも当初はシンガーソングライターとしてデビューした歌手、というかポップスシンガーです。
そして歌手として、さらにテレビでお馴染みになる地位を確立したのが、当時国民的な大ヒットといっても過言ではないくらい、皆に「モーニング、モーニング、きみの朝だよ、モーニング、モーニング、きみの朝だよ」(引用)というフレーズで、超有名にになった「きみの朝」です。
そしてこの曲は内容はともかく、曲調は「超明るい」曲です。

でもデビュー当時は「暗い歌」オンパレードという印象です。
顔もどちらかというと、細面のやさしそうなイケ面タイプで、繊細なイメージがあり、ソフトで美しい声で、哀愁たっぷりの美しいメロディーを歌い上げました。

今ではその代表曲が1977年に発売された「部屋」だと思っています。
今では、と付けたのは、この曲を知ったのは、ずいぶん後になってからでした。

この曲は究極の哀愁たっぷりの暗い曲だと思っています。
それこそ、すきま風が入る寒い薄暗い部屋で、酒をちびちび飲みながら聴くと、どうにかなってしまいたいような衝動にかられるような曲だと思っています。いわゆる「知る人ぞ知る暗い曲の名曲」だと思っています。

でも繰り返しますが、この曲の存在は当時は知りませんでした。
中古レコード屋さんでデビュー曲「蒼い旅」(これは知っていました)を買った時に一緒に買ったのではないか、という記憶です。このように個人的な好みの曲を歌う歌手のレコードを買う時に、もし同時に知らない曲のレコードやCDがあった時は、一緒に買うと、その中でまた気に入った曲が見つかることがよくあります。松山千春や村下孝蔵、中島みゆきなどがその典型です。

表題の「部屋」は、歌い出しの
「いつもならこんなに優しいはずはない~」(引用)のところで、すでに心がきゅっとなるような快感が走りました。
これは個人的には「掘り出し物」だ、と感じました。その後の部分も私の期待を裏切らない、切なく淋しく美しいメロディーが続き、それは曲の終わりまで変わりませんでした。

1976年当初「蒼い旅」でデビューした時にすでに個人的にはかなり好みの暗い哀愁のメロディーで注目していました。これも調べていて知ったのですが、「蒼い旅」は作曲は岸田智史本人ですが、作詞はアリスの谷村新司みたいです。またデビュー当時はアリスのコンサートなどに同行して歌っていたようです。

この物悲しいメロディーは1974年以降くらいに出てきた、ジーパンで長髪のシンガーソングライター、例えば「かぐや姫(南こうせつ、伊勢正三)」「NSP」「グレープ(さだまさし)」「クラフト」などに代表される「暗い四畳半の弾き語り的ソング(自分で命名)」路線がそのまま引き継がれた、と感じました。その前の昭和40年代前半の反戦歌やフォークソングの後に出てきた大きな波だと思っています。

あの時代はもう私も小学生高学年になっていたのでおぼえていますが、オイルショックなど波乱はありましたが、ちょうど万博後に日本の世界での地位が大きく向上した時期と重なったように思えました。一般論ですが、暗い時代に流行る歌は明るく、逆に躍進している時期には意外ですが、暗い歌が流行る、と言われています。多分人は置かれている現実と逆のものを求めるような本能があるのかもしれない、と思っています。そして、そのまさに象徴的な時代だった、と思っています。

暗いセンチな曲があまり好みでない方も、今はネットで試聴したりする設備がある可能性があるので、一部でもいいので、一度聴いてみてください。美しいメロディーに魅了されます。

この楽曲に対する名曲という評価はすべて個人的な感性によるものです。当方は専門家でもなく、また好みや嗜好は個人差があることをご承知おきください。

※ここに記載している記事は基本的にはオリジナルの内容ですが、記事の正確さを目指しているので年次など確定事実については一部は公開情報を参考にしていますことをご承知おきください。