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言わずと知れた、現在の芸能界を仕切るくらい地力がある女優さんの1977年発売の1曲です。
ネットで調べた範囲では、かなり複雑ではあるけれど、芸能関係の一族の家族のようです。

私が泉ピン子を最初にブラウン管(テレビ)で観たのは、1975年に世間を賑わせた、ある意味革新的な番組「ウィークエンダー」のリポーターとして登場した時です。「新聞によりますと~」のナレーションで有名になったこの番組は当時はPTAなど一部からは色々揶揄されましたが、日テレのお昼のワイドショーの「女の事件」と並び「再現フィルム」とともに、この泉ピン子の講談師のようなスパッと、切れ味のある語り口が受けて、老若男女を問わず大きな支持を得ていたように思います。私もお昼のワイドショーは学校があり当然観れませんでしたが、この番組は”きっちり”観ていました。

そして1977年に日曜日の午後にラジオの文化放送で3時間くらいぶっ通しで「全日本歌謡選抜」という画期的なラジオ歌謡番組ができました。私は当時ほぼ毎週聴いていました。司会は小川哲哉と当時局アナの丹羽孝子でした。表題の「哀恋蝶」はこの番組のトピックスの推薦曲のようなコーナーがあり、ある時そのコーナーで紹介され、そこで初めて知りました。

実はこの楽曲はあの有名な小林亜星(2021年に逝去)の作曲です。彼は当時「この木、何の木~」に代表されるように膨大な数のCMソングを作り、その世界ではパイオニア的存在で、また一般の楽曲の作曲でもレコ大を受賞した「都はるみ」の「北の宿から」を作り、さらに俳優としても「寺内貫太郎一家」で熱演するなどまさに一世を風靡したマルチな人でした。

ピンクレディ、百恵ちゃん、ジュリー、キャンディーズなど歌謡曲全盛のこの時期に、彗星のようにレポーターとして現れた泉ピン子が今度は歌を歌うということで、注目されました。でも正直「どうせ流行りすたりだろ~」みたいに思っていたら、曲も本格的でいい曲だし、歌も普段とはまったく違う味で、歌いあげていて、しかも私の好みの、昭和歌謡的な情緒的な曲で、大変気に入ったのをおぼえています。

その後彼女は女優として、テレビ上ではあの伝説の朝ドラ「おしん」で熱演して、確固たる地位を獲得して、さらに「渡る世間は鬼ばかり」で大女優への道を歩んだと思っています。

この歌を聴くと、当時の少し木の匂いの残る昭和から、脱皮してゆく新しい近代的な日本の急激な変化の中で取り残された夜の裏通りのさみしい、セピア色の風景を観たような気分になります。
懐かしくもあり、しかも昭和の香りが随所に残る哀愁たっぷりの曲だと思っています。

※このレコードのB面の曲も大変好きなので後日紹介したいと思っています。

※ここに記載している記事は基本的にはオリジナルの内容ですが、記事の正確さを目指しているので年次など確定事実については一部は公開情報を参考にしていますことをご承知おきください。

この楽曲に対する名曲という評価はすべて個人的な感性によるものです。当方は専門家でもなく、また好みや嗜好は個人差があることをご承知おきください。